2010年02月24日

素直な言葉「さすがだね。」

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『あの人も押してる。』





私が昔働いてた 松本歯科大学のシェフは 今まで何度もブログの中の話で書いてますが、とても厳しく 曲がったことの嫌いな人で いつも落ち着いて正しいことを言う、私の料理にしても 生き方にしても師匠と思ってる人です


 今の私の半分は上司としてのシェフを真似している。それだけシェフは人を使うのがうまかったし、本当に上司のお手本みたいな人でしたね。もちろん人間なので私から見て「?」思う所もありましたけどね。

きっと誰もが思っていくことなのでしょうが、部下やスタッフが自分の思うように動いてくれたら最高ですが、そんなこと絶対無いんですよね、人間一人一人には個性があり 一年二年も経ってくるとなんとなく可能性や限界もみえてくる 「部下は自分のコピー」ではないので全部含めてその人を認め生かし従えなければいけないですよね、これは考えれば考えるほど大変な事です。

 歯科大で働いてる時シェフを見ていて この人みたいな上司になろうと思った時の出来事がありました。



歯科大のレストランで働き始めた私が 最初に思ったことは「レベルが違いすぎる。」何件かのレストランやホテルを回ってきて包丁使いやフライパンの技術は そこそこ自信はありましたが、知識の無い自分を痛感しました「自分は今まで何をしていたんだろう」と、それぐらいシェフはすごい知識と更に上を行く技術を持っていました。

 その時私は28歳で、最初の内はぜんぜん仕事は回ってこなかった。でもしょうがないんです パンをうったり 肉を切るにしても一つ一つ技術と知識がないと時間ばかり掛り間にあわなかったり 逆にやり直しになる、でも自分がその場で生きるには 無理やりにでも割り込んでいくしかない、ある程度時間がたって なれたり覚えたりするまでは この繰り返しでした。



毎日毎日ぶつぶつシェフに怒られ いろいろ上手くいかない そんな事をずっとしていると、何だか自分が邪魔なような気がして 自信がなくなってくるんですよね。

 職人でやたらと怖く ちょっとでも気に入らないとなかなか認めないシェフを毎日毎日見るたびに憂鬱になる自分 前にも日記で書きましたが腕の時計を眺めては「止まってくれないかな」と思ってましたね。



そして ある時のパーティーで豪華な「刺身」の盛り合わせを出さなければいけない時があり、シェフから刺身を盛れと言われた。
 私は昔和食も少しかじったので 刺身を切って盛る事に関してはすこし自信があった、出来る限り丁寧に魚をおろし 今自分の出来る最高の 物を作った。今まで 自分の作ったもの何を見せてもシェフの直しが入るので見せる時は毎回憂鬱だった、でも見せなければいけないのでシェフのところに持っていくと、シェフはじっと見つめて。



「さすがだね。」



と言った。ただの人の言葉ですが 言われた私には思ってもみない言葉でした。

「さすが」という言葉はきっと 出来る人がさらにできた時に言われる言葉で 今の自分にはない言葉だと思った、特に毎回文句ばかり言われてた シェフから言われるとは思わなかった。

 言われた時私は 驚いた。確かに良いものが盛れたと自分でも思ってましたが 駄目だと思ってた、自信がなかった だから「良いんですか?」と聞きなおしてしまった、すると「出来る お前が 凄いものを作ったから さすがだねと言ったんだ」と言われた。

ただ「嬉しかった」そして「救われた」様な気がした。br>


 この時から私には 自信がついた。 人は自信がつくとすべてがうまく行く 何を言われても「やってやろう!」前向きにと思うと気持ちも技術もどんどん前に行く、そしてそれからもシェフには怒られ続けましたが 「よし」と言われるまで何度もやった。


 シェフと言う上司 最初は嫌だったけど、上司はこれで良いんだと思った、好かれる嫌われるわ関係なく だめな物はとことん駄目だと言い 良いものは素直にいいと認める、情も見栄もなく素直に自分の思った事を言い 言葉で人の心を動かせて 更に自分を貫ける人でいたい。


 

今の私はスタッフから見ると上司と言う立場で じぶんで思った駄目なものにはダメを出す繰り返し、でも良いものが出来てきた時は 必ず心からの言葉で「いいね。」更に良いものには「さっすがだね。」と言う、あの時言われた私も嬉しかったけど 言ってる自分も 人の成長や上達の末だと思い「うれしい」くて「気持ちがいい」、。

シェフもあの時は 今の私と同じで嬉しいと思ったのかな?

 私が常に 人やスタッフと接する時の気持ちは「素直」です。
なかなか難しいんですけどね!








  

Posted by ひげじい at 15:59Comments(2)キャプテンの独り言